幽玄怪舎 依藤幸夢店

創作者依藤(えとう)の地道に感じた事や身の回りに起きたことを綴るゆったりしたブログ

お題「ネットワーク」

お題「ネットワーク」


「ねぇ、唯。僕に手伝える事はあるかな?」
「君ら依藤家の情報網がする仕事を天下のアイドル様である、君に任せられるわけないさ~」

 姉貴の経営する会社が行う取引や、僕の仕事でかかわる人間に対しての情報収集を、晶の妹である唯に任せている。
 表の顔は路地裏にある小さな喫茶店のマスターだけど、僕達依藤家からの依頼となれば臨時休業をして独自の技術と情報網を使って色々な所からやれ〇〇議員が不正していたとか人気アイドルグループを多数抱える大手事務所の不祥事。なんてのも見つけてくる唯の手腕は凄い。
 だけど、最近は姉貴からの依頼だらけで、喫茶店の方が営業出来ないからって今回たまたまオフだった僕が呼び出された。

「そっちに関われないなら、僕は表で今日だけのマスターしとくよー?」
「りょーかい、今日だけオープンって形でセナのと店のSNS更新しといてねー。WiFiも開放していいからー」
WiFi開放なんて珍しいね、というか、僕のSNS更新したらお客さん凄い事になりそうだね」
WiFiに関してはちょっとね。セナの臨時店長は前からあるけど、アイドルに復帰してからは初めてなんだし、セナに対するファンの民度に期待しようよ。一度に沢山のお客様が来店されると僕が珈琲淹れれなくなりますーってSNSに書いたらなんとか店のキャパで収まって回るんじゃないかな?」
「まぁ期待してみるだけしてみようか、WiFiに関してちょっとってなにするの?」
「ネットワークに接続した端末のアドレス保管しておいて、セナのコンサートとかでWiFi立ち上げた時にこの前みたいなキャパシティーオーバーからのダウンを防ごうと思ってね。ここで接続された端末は次のコンサートから会場で立ち上げたサブWiFiに優先接続かけて、メインのWiFiには繋がらないようにするのさ、そうすれば同時接続多数から起きる速度低下を防ぐ一手になるでしょう?」
「あークレーム来てたもんね、莉桜達のコンサートで速度制限かかった状態みたいになったからSNS更新かけれなくってじゃんけん大会の様子が書けなかったーって」
「そうそう、あの子らも呼んでるから、セナを店長代理に据えればお店も無事回るし、次のコンサートに対する対策も立つし、お客さん達はセナ達からの接客を受けれる。一石三鳥さー」
「やっぱり唯は頭がキレるねえ」