幽玄怪舎 依藤幸夢店

創作者依藤(えとう)の地道に感じた事や身の回りに起きたことを綴るゆったりしたブログ

ワンライお題「返信待ち」

 ある日、唯から依頼のメールが届いて、その通りに動いて見て、写真を撮って送る僕。

 時折起きる依頼のメール、そして条件には必ず位置情報を付けてくれとある。奇妙な事に、時間だけはずらされて別の端末に送られてきてそれをSNSにアップロードしろとまで言われるまでが依頼だ。

――唯に電話して、依頼の内容を確認したいけれども、時間が限りなくずらされても可笑しくない時間で写真を撮れとまで指令が飛んでくる依頼に対して説明を求めるのも、僕がなにか犯罪に関わる事じゃなければ”なんでもする”と言ったのが間違いだったのか、未だにわからないけれども、確かにそれは起きている依頼であって、完遂のメールを送ったにもかかわらず、未だ帰ってこない返信を待ち続けるのも疲れ、少しばかり自由に走り出した頃、ようやく返信待ちをしていた唯からの「依頼完了確認」のメールを見て、晶(あきら)に対して「唯は一体何をしているんだ」と問い詰めるメールを送ってしまったのは僕の間違いだったのだろうか……。と自問自答を繰り返してみても帰ってくる事の無い返信を待ちながら僕は珍しくYZFを引っ張り出してきてメンテが必要かどうか見極めるために走り出す。

 

――暫く(しばらく)してから晶からの返信が来て、「唯はセナを守っているんだよ」の一言しか書いていなくて、僕は甚だ僕の聞きたい事とズレいているでは無いかと憤慨しそうになりながら、とりあえず晶に対して返答をしなくてはなんて考えてみても、文面を考えつかず、これでは晶が返信待ちするではないか、なんて言葉遊びを行いながらもYZFのメンテ項目をその場に有った適当な紙に書き出していき結局今日も僕はカブを弄り始めてしまう。頭でナニカを考えている時は僕の身体や思考でのカブの単純さは気楽に弄り回せる玩具の様に感じているんだろうな、などと巫山戯た思考回路をどうにかしないとね……。

 

――自問自答と自問他答をしてみても、結論的に唯が僕の何を守っているかなんて分かるはずもなく時間だけが過ぎていく……。

 

――僕が犯罪に巻き込まれないようにミスリードとして、位置情報だけ一致させて、時間をズラして投稿させた端末は唯が持つ技術によって生み出されたダミーのSIMを認識している端末でわざとズラした時間情報を元に僕に着いていたストーカーが騙されて全員捕まった話は後日唯の店に行き、久々のテストメニューを僕の口で試されていた時にいきなり告げられた言葉だった。